C ART CENTER Cアートセンター
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絵本について考えました。絵本には、ページをめくる楽しみがあります。次にどんな情景が待っているのか、ちょっと先回りして覗いてみたり、開いたページを前に物思いに耽ったまま、しばらくそこにとどまったり、もう一度前のページに戻ったり。最初からお仕着せの「読み方」があるのではなく、読む人が、自分の歩調にあわせて、ページをめくっていくことで、その人のなかに、その人なりの物語や感情が生まれてくる。「人が読むことでできあがる絵本」。そんなことをいわさきちひろの絵本から強く感じます。 さて、そんな意味での一冊の「絵本」として、「安野ちひろ美術館」をつくれたら、と考えています。 美術館も、絵本と同じく、何枚もの絵からできあがります。絵の置かれ方が、一方では本というかたちをとり、もう一方では環境というかたちをとっています。しかし、その両方に求められていることは基本的には似ているように思われるのです。 絵本のページをめくるように、一枚の絵から一枚の絵へ、自分の歩調にあわせて、休息をしたり、脇道に入ったり、お茶を飲んだり、また絵に見入ったり。 作品を「見せていただく」というのではなく、訪れた人が、好き勝手に時間を過ごすことができ、そこで様々な情景と出会う。訪れた人のなかに、そんな体験から、その人なりの物語が生まれてくる。 「そこで時間を過ごすことでできあがる絵本」そんな美術館ができたら、と考えます。 美術館を作りあげる「情景」は、なにも絵本の原画だけに限りません。まずは、安曇野の生きた自然。凛とした空気、清冽な水の流れ、レンゲなどの野草、とんぽ、かえる、流れていく雲、などなど。それから、そこで遊びまわるこどもたち。公園を含め敷地全体に広がるそうした生きた情景が、「安曇野ちひろ美術館」という一冊の「絵本」の重要な要素であると考えます。
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| No. | 006 006 |
| Title | C ART CENTER Cアートセンター |
| Principal use | Museum (proposal) Museum (proposal) |
| Architectural Design | AOKI Jun, WATASE Masaki, OKAWARA Shinji, NISHIO Reiko 青木淳, 渡瀬正記, 大河原慎史, 西尾玲子 |
| Design | 1993.07 - 1993.08 1993.07 - 1993.08 |
| Location | Matsumoto City, Nagano 長野県松本市 |
| Number of Stories | 4F 地上4階 |
| Structure | SRC+RC+S SRC造+RC造+S造 |
絵本について考えました。絵本には、ページをめくる楽しみがあります。次にどんな情景が待っているのか、ちょっと先回りして覗いてみたり、開いたページを前に物思いに耽ったまま、しばらくそこにとどまったり、もう一度前のページに戻ったり。最初からお仕着せの「読み方」があるのではなく、読む人が、自分の歩調にあわせて、ページをめくっていくことで、その人のなかに、その人なりの物語や感情が生まれてくる。「人が読むことでできあがる絵本」。そんなことをいわさきちひろの絵本から強く感じます。 さて、そんな意味での一冊の「絵本」として、「安野ちひろ美術館」をつくれたら、と考えています。 美術館も、絵本と同じく、何枚もの絵からできあがります。絵の置かれ方が、一方では本というかたちをとり、もう一方では環境というかたちをとっています。しかし、その両方に求められていることは基本的には似ているように思われるのです。 絵本のページをめくるように、一枚の絵から一枚の絵へ、自分の歩調にあわせて、休息をしたり、脇道に入ったり、お茶を飲んだり、また絵に見入ったり。 作品を「見せていただく」というのではなく、訪れた人が、好き勝手に時間を過ごすことができ、そこで様々な情景と出会う。訪れた人のなかに、そんな体験から、その人なりの物語が生まれてくる。 「そこで時間を過ごすことでできあがる絵本」そんな美術館ができたら、と考えます。 美術館を作りあげる「情景」は、なにも絵本の原画だけに限りません。まずは、安曇野の生きた自然。凛とした空気、清冽な水の流れ、レンゲなどの野草、とんぽ、かえる、流れていく雲、などなど。それから、そこで遊びまわるこどもたち。公園を含め敷地全体に広がるそうした生きた情景が、「安曇野ちひろ美術館」という一冊の「絵本」の重要な要素であると考えます。